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【vol.08】 インフルエンザについて

● インフルエンザとは?

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16世紀、イタリアの占星家たちは、周期的に大流行するこれを星や寒気の影響(influence)によるものと考えました。これがインフルエンザ(influenza)の語源であると言われています。

日本では、毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1~3月頃に増加、4~5月までに減少していくというパターンを示しています。まれには夏に見られることもあります。

原因は空気中のインフルエンザウイルスを吸入し、感染することにより生じます。ウイルスにはA,B,Cの3型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。とくにA型では、様々な亜型があり、ヒト以外にもブタやトリなどへも感染します。昨シーズンはトリインフルエンザも大流行しましたね。

人への影響が懸念されているところです。またインフルエンザは周期的にその姿を変えるため突発的に大流行することでも普通のかぜとは異なります。1918年「スペインかぜ」、1957年「アジアかぜ」、1968年「香港かぜ」、1977年「ソ連型」が有名です。

● こんな症状です

ご存知のように1~3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38 度以上の高熱)・頭痛・全身の倦怠感・筋肉痛・関節痛などが突然現われ、咳・鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが典型的なインフルエンザです。とくに、高齢者や、年齢を問わず呼吸器・循環器・腎臓に慢性疾患を持つ方、糖尿病などの代謝疾患・免疫機能が低下している方がインフルエンザにかかると、原疾患の増悪とともに、肺炎や気管支炎などの細菌感染症を起こしやすくなることが知られています(ハイリスクグループ)。また、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する脳炎・脳症などの合併症が明らかとなり問題となっています。毎年50 ~200 人のインフルエンザ脳炎・脳症が報告されており、そのうち1~3割が致命的となっています。

診断には最近、外来で20~30分で簡便に結果が出るインフルエンザ抗原検出キットが開発され、ウイルス抗原を高感度に検出して外来診療などに役立っています。

● 予防(ワクチン)について

予防の基本はワクチン接種です。特に前述したハイリスクグループの方には積極的にインフルエンザワクチンを接種することが勧められています。

現在、用いられているインフルエンザワクチンは、ウイルス粒子をエーテルで処理した不活化ワクチンです。ワクチンの効果は接種後約2週間から4~5ヶ月の間と言われていますので、できるだけ12月までに接種しましょう。

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シーズン中は人ごみを避け、外出時のマスクやうがい・手洗いを、合わせてお勧めいたします。空気の乾燥も流行と関係していますので、加湿器などでお部屋を加湿しましょう。

内科・循環器内科 ふよう内科クリニック FUYO CLINIC

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